[第3回] 双子のお子さんをお持ちのママが介護の仕事を続けられる理由
アクアピア新百合 小八重穂奈美さん(一歳半になる双子のお子さんのママ)
―双子のお子さんのママだとお聞きしました。まずは、現在の働き方についてお聞かせ頂けますか?
はい。今は、1歳半になる双子の子育てをしながら、介護のお仕事をしています。
産休明けも変わらず常勤正社員として頑張っていますが、日勤(昼間の勤務)のみでシフトを組んで頂き、
通常18時までの勤務を、16時までの時短勤務という形での働き方をさせてもらっています。
はじめての出産・子育て、それも双子のママになるという、劇的な生活の変化を経験しましたが、
こうして仕事を続けられているのは、周りのスタッフさんたちの協力もあってこそ。本当に感謝しています。
―ご結婚後も、介護の仕事を続けたいという想いは最初からお持ちだったんですか?
はい、ずっと続けていきたいと考えていました。
この仕事は一生モノだと思いますので、介護から離れるつもりはなかったですね。
産休育休制度だけでなく、復帰後もスムーズに現場へ戻れるように受け入れて下さるサポート体制があったので、それが決め手でもありました。
あと、やっぱり女性の多い職場なので、同じ境遇のママが多い。これは、とっても心強いです。
子どもが小さい間は、急な発熱などで、どうしても急なお休みを頂かなければならないこともありますが、
皆さん「お互い様だから、全然気にしないで」と言って下さり、助け合う雰囲気が自然とあるので、頑張れるんだと思います。
介護は、チームワークがとても大切なお仕事なので、スタッフそれぞれの事情を汲んで、
長く働ける職場づくりを目指している今の施設には、とても感謝しています。
―介護のお仕事をはじめたきっかけを教えてください。
もともと、親戚がデイサービスを運営していたんです。学生時代、そこでお手伝いをする機会が何度かあったんですね。
その時に、少し気難しいおばあさんがいらっしゃって。
周りのスタッフの方も対応に苦戦するような方だったんですけど、私は不思議ととても仲良くなれたんです。
そのおばあさん、最初はつんけんしていて、話しかけても一言二言返して下さるかどうか…という位だったんです。
でも、レクリエーションの準備を一緒にさせて頂く機会があって、ただただ真っすぐに向き合い続けた結果、少しずつ打ち解けていきました。
そのおばあさんから、「あなたはこの仕事に向いてるよ」って仰って頂けたんです。
その言葉がとても嬉しくて。私は介護の仕事に向いてるのかもしれないな!って思うようになりました。
母が看護師をしていまして、その影響も大きかったと思います。
実は、幼いころは保育士さんになりたかったんです。
たぶん、私は「お世話好き」で、誰かのためになる仕事をしたいというのが強かったんですね。
保育の仕事も、介護の仕事も、相手の年齢は大きく異なりますが、相手の気持ちになって、相手が喜ぶことをする、というのは変わらないと思っています。
それで、高校卒業と同時に介護の仕事をしながら資格取得を目指しました。
学生さんの中には、介護の仕事は専門学校や福祉系の大学に行って、資格を取得していないと出来ない仕事だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は多くの施設・企業が未経験・無資格から働けます。
就職が決まってから介護初任者研修を受け、将来的に介護福祉士の資格をとる、という方も多い業界なので、
その点については、ぜひ多くの学生さんに知って頂きたいですね。
―介護のお仕事と言っても、施設の種類によって業務内容は大きく異なりますよね?
はい、私の場合、介護の仕事を目指したきっかけはデイサービスでしたが、今は介護老人保健施設(以下、老健)で働いています。
一番の違いはご利用者様の介護度合いですね。
デイサービスは通所介護といって、ご利用者さまは基本自宅にお住まいになられていて、定期に通って頂くスタイルです。
私の働いている老健は入居型です。
必然的に要介護度の高い方が対象となり、自立を支援しながらご自宅に戻るのを目指している方から、寝たきりで身の回りのお世話全般のサポートが必要な方も沢山いらっしゃいます。ご利用者さまの幅が広いのが老健の特徴ですね。
―なぜ、小八重さんは老健でのお仕事を選ばれたのですか?
一番の決め手は、老健では様々な経験が積めるので、介護職としてのスキルアップの近道だと思ったからです。
利用者さまのアセスメント(介護方針をまとめる資料)を、周りのスタッフさんの意見を聞きながらまとめたりするのは本当に勉強になります。
あと、体力的に大変な部分もある仕事ですので、若いうちに経験しておいた方が自分の成長になるな、と思ったんです。
私の場合は、そのような理由で老健を選びましたが、デイサービスの方が向いている方、グループホームが合う方など、
同じ介護職でもその方の性格や志向によって向いている施設は異なると思っています。
例えば、レクリエーションを通じて、ご利用者さまとのコミュニケーションを大事にしたい方は、デイサービスが良いと思いますし、
グループホームのようなアットホームな雰囲気で働きたい、という方も沢山いらっしゃると思います。
介護職も施設区分によって様々ですので、実際に施設に足を運んでみて、お仕事内容をよく知ってから就労先を決めるのが良いと思います。
―最後に、就職活動中の学生さんに向けてメッセージをお願いします。
介護の仕事も、基本は私は「接客業」だと私は思っています。
あまり難しく考えすぎず、「人と関わるのが好きな方」「じっと座っているより体を動かしていていたい方」「お世話好きな方」、
そんな方なら接客の仕事の一つとして、介護業界への就職ということも、ぜひ一度考えてみて頂きたいですね。
沢山の絵画が飾られ、緑も多く、明るい雰囲気の施設内。お気に入りの絵画の前でお写真を撮らせて頂きました。

慣れないインタビューにも関わらず、ご自身の言葉で一生懸命お話ししてくださった小八重さん。ありがとうございました!